本のご紹介

ジャングルジム

岩瀬成子 作 網中いづる 絵

本体1,400円(税別)
上製本/144頁/A5変型版
ISBN978-4-902257-44-1

おねえちゃんは目をまっ赤にして、
玄関に立っていた。
「泣いたの?どうしたの」と、
あたしはきいた。

思いがけず、年上の子と〈どっちが強い〉か決めることになった小学生の女の子・すみれ。

あたしはばかだ、と思った。
どうして、こんなことになっちゃったんだろう。
こんなこと、したくない。いやだ。だめだ。

少女の揺らめく気もちをこまやかに描いた表題作「ジャングルジム」をふくむ五編を収録した短編集。(小学中級から)

いろんな家族がある。子どもにとっては、いっしょにくらしている人は家族だ。家族はいっしょにごはんを食べたり、あそんだりする。でも、それだけじゃなく、ときには気もちがばらばらになることもある。さみしい気もちになることもある。人生のいろんなことを考えるもとになっているのが家族だと思う。──岩瀬成子

 

 

● 著者紹介

岩瀬成子(いわせ じょうこ)
1950年、山口県生まれ。77年、デビュー作『朝はだんだん見えてくる』(理論社)で日本児童文学者協会新人賞受賞。また、その後の作品にて、路傍の石文学賞、野間児童文芸賞、産経児童出版文化賞大賞、坪田譲治文学賞などを受賞。 著書に、『だれにもいえない』(毎日新聞社)、『まつりちゃん』(理論社)、『オール・マイ・ラヴィング』(ホーム社)、『地図を広げて』(偕成社)、『もうひとつの曲がり角』(講談社)、『あたらしい子がきて』『ひみつの犬』(以上 岩崎書店)などがある。

網中いづる(あみなか いづる)
1968年、宮城県生まれ。イラストレーター。99年、ペーター賞、2003年、東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)公募プロ部門大賞、07年、講談社出版文化賞さしえ賞などを受賞。絵本に『ふくはなにからできてるの?』(佐藤哲也/文 福音館書店)、装挿画に『だれにもいえない』(毎日新聞社)、「プリンセス・ダイアリー」シリーズ(河出書房新社)、『三つ編み』(早川書房)などがある。大分県立芸術文化短期大学美術科デザイン専攻非常勤講師。TIS会員。
https://www.izuru.net