本のご紹介

わたしたちが自由になるまえ

フーリア・アルバレス 著 神戸万知 訳

本体1,500円(税別)
上製本/296頁/四六判
ISBN978-4-902257-32-8

1960年、カリブ海にのぞむ美しい国──ドミニカ共和国。もうすぐ12歳になるアニータのまわりには、不穏な空気がただよっていた。なかよしのいとこ一家は、逃げるようにアメリカに渡り、おじさんのひとりは、行方がわからない。そして、ある朝、秘密警察がやってきた──。

独裁政権末期のドミニカ共和国で、自由をもとめる闘いを見つめた少女の物語。(小学上級から)

*プーラ・ベルプレ賞(ヒスパニック系作家による、すぐれた児童書に贈られる賞)受賞
*アメリカス児童・ヤングアダルト文学賞受賞

 

● 著者紹介

フーリア・アルバレス(Julia Alvarez)
1950年、ニューヨーク市生まれ。生後すぐに、両親の故郷ドミニカ共和国に渡る。父がトルヒーヨ政権への抵抗運動に加わり、迫害をおそれて、10歳のときにアメリカに移住する。早くから作家を志し、1991年、ドミニカからアメリカに移住した四姉妹の人生を描く「How The Garcia Girls Lost Their Accents」でデビュー。2004年、本書「Before We Were Free」で、プーラ・ベルプレ賞(ヒスパニック系作家による、すぐれた児童書に贈られる賞)を受賞。ほかに、実在のミラバル姉妹をモデルにした『蝶たちの時代』(青柳伸子訳作品社)などの作品がある。また、夫とともに、ドミニカに有機コーヒー農園をもち、その売り上げは地域の識字教育を支えている。

神戸万知(ごうど まち)
翻訳家。ニューヨーク州立大学卒業。白百合女子大大学院で児童文学を研究する。おもな訳書に、「ロンド国物語」シリーズ(岩ア書店)、「スイッチ!」シリーズ(フレーベル館)、『アリブランディを探して』『二つ、三ついいわすれたこと』(以上岩波書店)など。アルバレス作品の翻訳には、『ロラおばちゃんがやってきた』(講談社)、絵本『ひみつの足あと』(岩波書店)がある。